スポンサーサイト   

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

4月14日の第二回準備会の後、寺十さんにインタビューした。
もともとは前回までの稽古を踏まえ、「ここから何が生まれるのか」「どこへ向かうのか」にとても興味があり、インタビューをお願いしたものだ。
が・・・今回の稽古が前回までと全く違うものに変わっており、ただただ混乱する中でのインタビューとなった。

当然、最初に聞いたのは「変わりましたね」ということだ。
寺十さんは、丁寧に説明してくださった。
「エチュードが嫌いってことは特にないのだけど、せっかくホンが面白いから、それをきちんと活かしたい」
前回準備会、およびその前に行われた前川ワークショップへの飛び入り参加での「エチュード稽古」をやってみて、稽古の変更、すなわち、ディテールをきっちり作って、小返ししながら芝居を作っていく、というものに至ったわけだ。

私はワークショップや、前川さんの「ほぼエチュード公演」をいっぱい見ているせいか、前回までの稽古に違和感はなかった。
むしろ、新しい何かが生まれるのではないか、という期待を持っていた。
あれはあれでありなんじゃないのか、と寺十さんに尋ねると、「でもあなた寝てたでしょ」と。
・・・バレてる。がびぃ~ん。いや、あの日は体調が・・・。

確かに前回のエチュードを見ていて、私の知っている前川さんと寺十さん以上のものが出てきているとは思えなかった。
たぶん何度かやっていれば変わるのだろうが、前回に関してはまだまだ台本をなぞっているだけ、と思えて退屈してしまったのだ。

そもそも稽古の初期ってのはそんなもんだ。
台本を持ちながら、台本に即して稽古するのだから、外から見ていて楽しめるものではない。
台本を離してフルエチュードにしたとしても、基本は変わらない。
ホンをなぞるのは当然だ。「退屈な作業」なのかもしれない。

しかしながら、今回の稽古、すなわちディテールを探り、登場人物がどんなやつなのか、部屋はどんななのか、「今何をしてるところ」なのか、という芝居を作っていく作業は、見ていて『退屈』じゃなかったと思う。
次々と出てくるアイディアや、新しいアイディアが前に出たアイディアを否定したり・・・。
見ていた人も楽しめたのではないだろうか。

次回もこのパターンの稽古をするという。
2回の稽古で全体を作ってしまい、その後、「通し」という名の「エチュード」をやって、どんどん作っていくという。
つまり、次回まで寺十流で行き、その後また前川流に戻る、ということだ。合わせワザだ。

「なるほど」と思ったが、「前川流一本」よりは個性が薄れる感じもする。
で、尋ねた。「それで何かが生まれるのでしょうか?」と。
そしたら寺十さんは「わかりません」と。
やってみないことにはどうなるかわからないのだと。
未経験のことに挑戦している、という意識なのだった。

恐ろしいことです。

ある意味、一気に地味な、こつこつとした作業になった感じがする。
手探りで、一歩一歩前に進む感じ。前が見えてないんだから、そりゃあ手探りだろう。
寺十さんは「そもそも役者なんて地味なもんです。まじめに地味に、必死で稽古するんですよ。」と。
「ハデなことをやってみたい、なんてのは10代20代までですよ。上の年代になると、地味にまじめにこつこつとやっていくんです。」と・・・。
逆にハデな時代の寺十さんを想像できないが・・・。
というか、私が tsumazuki no ishi を最初に見たのは1993年のストアハウスで、ひたすらハデな演出をやりまくっていた。
それ以前に役者・寺十吾をいくつかの客演舞台で見ていて、その的確な演技が圧倒的だったのを覚えている。がしかし、tsumazuki というホームグラウンドに帰って来たときの寺十演出のハデさ、やり放題さに感動したものだった。

ということは、役者は地味だが、演出は変わらずハデってことなのか・・・。
「昔、寺十さんはハデな演出してましたよねえ。」と尋ねると、ニコニコ笑っているだけだったが・・・。

考えてみると、このアンファンテリブルプロデュースの公演は、寺十さんも前川さんも役者としてだけ出演しているわけではない。
それぞれが演出に回る組み合わせもあるのだ。
全く違う舞台になるってことだろう。
寺十さんの地味な役者と、ハデな演出、の二面性が見れるというわけだ。
前川さんだって、役者としてひたすらナチュラルな姿と、演出家としてのエンタテインメント的サービス精神の両面が見れる。
・・・何がどうなるのか全くわからない。

11月まで試行錯誤は続く。
今後のことはわからないという寺十さんに、思わず「 tsumazuki の公演は来年ぐらいにはできるんでしょうか?」と尋ねた。
そしたら今年の9月にあるという・・・。びっくりして叫んでしまった。
「なんでそんな時期に、この仕事を受けちゃったんですかあ!」と。
そしたら、「ほんとそうですよね」と。
困った風を装ってはいるが、どう見ても楽しんでいる。
この人もまたおなじみの「チャレンジャー」なのか?

「半年後ぐらいにもう一回お話しをうかがわせてください」とお願いした。
合わせワザで何が生まれるのか、どこへ向かうのか、を見届けねばならない。
「もちろんいいですよ」とお答えをいただいた。
7月には他の出演者も登場して、さらに混迷の度を増してるかもしれない。
8月ごろ、tsumazuki の稽古との板ばさみでボロボロになってる姿を見れるかもしれない。
9月、tsumazuki の公演後にボー然としている姿があるかもしれない。
しかし・・・やはり10月だろう。
大混乱を経て、方向性が見えてきた段階で、もう一度インタビューしてみたい。
いや、たぶん方向性なんて見えてないだろう。試行錯誤は本番ぎりぎりまで続くだろう。だからこそ、寺十さんならではの分析が聞けるだろう。
次回は10月初旬(本番まで一ヶ月)にお願いしよう。
それまで寺十さんも前川さんもちゃんと生きていてくれると嬉しいのだが・・・。


一寸小丸
StagePower2.0
http://www.mcri21.com/sp/





この記事へのコメント:

管理人のみ通知 :

トラックバック:


   twitter   
  
   カテゴリ   
  
   最新記事   
  
   リンク   
  
   コメント   
  
   予告編   
  
   アンファンテリブルとは   
  

愛のゆくえ(仮)


1990年に作家・演出家の前川麻子が立ち上げたプロデュースユニット。魅力ある役者を招き、前川が作・演出を行う。公演歴40回以上。

演劇「愛のゆくえ(仮)」
同じ男女二人の物語を3組の出演者と演出で舞台化。
観客の前で試演、稽古を見てもらい意見を交換し合う「トライアル」を実施、
台本稽古映像もネットに公開した。
映画「愛のゆくえ(仮)」の脚本はトライアル以前、前川WSでの試演会で没になった戯曲が元になっている。

   facebook   
  
   お問合せ   
  

お名前:
ご連絡先:
件名:
本文:


lovewhereabouts@gmail.com
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。