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前川麻子メールインタビューの続編です。続けていいって言いましたよね。

回答を読ませていただきました。
ちょっとひっかかるなあ(特に3番)。「後付け」じゃないのか、と。
やっぱり質が違って見える寺十さんと前川さんが自分のフィールドの芝居と違うところを目指す、ってのは長野あたりの山にこもって合宿でもやって作るもんで、人が見てる前ではやらんでしょ。

1、企画意図っつうものをやっぱ聞きたいよ。
で思ったのは、キャスティングの前に「企画」があったんだよな、ということ。
「企画ありき」からのぉ「キャスティング」です。さて、この無謀とも言える異種格闘技企画は、どこいらから発想されたんでしょうか?

<前川>
鵺的「昆虫系」という芝居で寺十さんの演出を受けることになった時点で、寺十さんが周囲に「前川さんてどんな感じ?」的なことをリサーチしたらしく、訊かれた人たちが口々に「じっちゃんと同じ」「じっちゃんとそっくり」「まるで同じ」的なことを答えたと聞き、「へえー」と思っていたんですね。
実際、稽古場で演出を受ける限りでは「演出がわかりやすい」「近い感覚がある」と思うだけでしたが、共通の友人である過去の共演者たちにそれほど言われるとお互い「むむむ」と思うわけで。

美術家の加藤ちか女史なんぞ「最初じっちゃんの芝居観たときマエカワにそっくりって思ったのよ」とまで言う。ちかさんはこのとき鵺的の芝居は観ていなかったのですが、「あんたたち同じホンで一人芝居やったらいいよ。マエカワがじっちゃん演出して、じっちゃんがマエカワ演出して」とか言っていて、「それは企画として面白い」と、ちょっと考え始めた。
私が出演して寺十さんが演出するというのはもう一本よそさまの企画として立ち上げていたから、じゃあ役者・寺十を私が演出するというパターンかなと考えて。

それから、寺十さんが役者として出演しているガマ発動期の「ランディおじさん」という芝居を観てぞっとしました。
もうね、登場の仕方から呼吸の取り方から目線の置き方から、「居方」がそっくり。
物語の時間の中の何をどこで拾ってどう飲んでどう芝居にしていくか、みたいなことが自分と同じなので全部わかる。
だから鵺的のときには私に演出つかなかったんだなあと勝手に合点して。

これほど同じタイプの役者に出会すこともなかなかないので、これは加藤ちか案をやるべきなんじゃないかとその気になった。
鵺的のときに高木さんと寺十さんとで「もう一度やりましょう」とは話していて、これは結構大掛かりな奴を考えていたのでどこかプロデュースしてくれるとこないかしらという状況で、企画としてはまだ立ち上げていなかったし、一人芝居とか二人芝居の企画なら、うち(アンファンテリブル)でもそれなりにやれるんじゃないかと思って、寺十さんと高木さんに案の段階で持ちかけました。

ところが寺十さんは「一人芝居には興味がない」と言う。
「芝居って、人と一緒にやることが面白さだから」というような意味の回答だったと思います。
で、「じゃ私やるよ、やるから、やろうよ」というあれで、二人芝居と決まった。

発案・加藤ちか。



2、それにつけても瀧川&赤澤です。よりによってナゼこの二人なわけ?
寺十さんですら遠い(前川さんは「近い」と前回おっしゃってましたが、そうとは思えん)のに、「エロメール添削」の赤ペン瀧川先生と、耽美的な芝居の黒色綺譚カナリア派の赤澤ムックさんですからね。
口語体系のとことか、エチュード系のとこだけで作るって手もあったのに。
それも4人の順列組み合わせって・・・。
いったいどういう経緯でこの二人がチョイスされたのか、そして二人に何を期待してるのか、を教えていただければと。

<前川>
二人芝居でスタートした企画だったので、ホンはすぐに書いちゃったんです。
でも制作的には興行収入に不安があって2人で800人くらい呼ばないとならんことになってしまい、「これ客こなかったらお互いの演劇人生をしっかり振り返らなくちゃだわね」なんていう恐ろしい企画なもんで、ブレーンから「二人芝居フェスティバルみたいにしたらどう」などと提案されたりもして、悶々と考えた。

寺十さんと共演したいし演出も受けたい。
しかし寺十さんはtsumazuki no ishi以外では演出と出演の二足草鞋はやらんと言う。
んじゃ、ってことで草鞋履き替え作戦にして、恐る恐るに相談したら「やる」って 笑

そこからしばらく会議三昧。
女優はすぐに決まったのだけど男優はなかなか寺十さんのOKが出なかった。

寺十さんと私の興味が重なる人はそう多くなく、おまけに制作的にもOKが出せる人となるとなかなか難しい。しかもギャラがちゃんと出せる体勢にない。
こちらが提案して寺十さんがOKしたらもうすぐに人づてに連絡先を教えてもらっていきなり電話でオファーしたり、楽屋に押し掛けて宴席でオファーしたりの特攻隊で計3人に振られました。

ムックちゃんはカナリアに沖田乱さんが出たりしたのでちょっと前から観ていて、鵺的の後にも宮島健さんと吉田テツタさんが劇団ダミアンの「説教強盗」で共演して、その宴席で初めて話してみたらカワイイ奴だった 笑。
自分が似た足場にいたからなんですが、いい女優さんなのに座長の一面だけが押し出されているのはちょっと勿体ない気がして。
もっと一女優として勝負してみたかろうに看板あるといらんことで色がつく。
折しも黒色奇譚カナリア派が活動を休止するってんで、すぐに声をかけて、色々事務所のこととかをムックちゃんが前向きに調整してくれて、一ヶ月くらいかけての決定。

それでも男優は決まらなかったし、決まらないと情宣が打てないので、見切り発車で準備会を始めたんです。
第一回の準備会にムックが観に来てくれて、制作に「赤ペン先生」と耳打ちして帰ってった。
ちょっとググったらなんだか面白い人じゃないかと。

普段からそうなのですが、私と寺十さんが飲みながら話していると、どうしても「まつもときょうじさんがいればねえ」とか「深浦加奈子がいればねえ」となってしまうし、おセンチは抜いても「だったら沖田乱でどうよ」とか、やっぱり背景が同時代だから80年代感覚の提案になってしまう。
だから今回は絶対、演劇的に我々以降の若い世代の人にしたかった。
その点、ムックはどんぴしゃだったし、我々の稽古見て出てきた名前だから、検討の価値ありと。

数日後、ムックの仲介でスケジュールと意志を確認してもらい、どちらもイケそうと訊いてすぐに瀧川くんに会いに行き、挨拶だけして、数日後にマネージャーさんと一緒に会ってだらだらグラッパなんぞ飲みながら話して。
私も寺十さんも瀧川くんの芝居を観ていなかったんだけど、話してみたら準備会に客演参加してくれた石塚くんや瀧下くんとも共演しているし共通の知人も多かったので、傾向はなんとなく掴めた感じがしたんです。
瀧川くんは活躍の場が広くトークが売りなので、エチュードの心配はない。
これはかつて芸人さんと二人芝居をしたりしたときの確信。
本人も、「どっぷり芝居がしたい」と言うので、「それだけはお約束します」と、決定。

お陰さまで仮チラシの反応がとても良いです。
「面白い企画」「巧いキャスティング」と言って戴いて、後は中身だぞと身が引き締まります。
キャスティングは縁とフィーリングとタイミングがすべてと思います。



3、そもそも寺十さんはどう思ってるんですか?
11月の本番に向けての準備会(6回予定)ですが、前半の3回は寺十さんと前川さんの二人で稽古して公開するのでしょう。
見た目にはホンを練りこんでいく過程が見れているように思います。
で、実際のところ寺十さんは今の稽古をどう思っているんですかね。
そもそも4人とも演出家です。
寺十さんは最初の「試し稽古」のときから完全に役者のふりしてますが、準備会第一回で、自分の番のとき勝手に照明を変えましたよね。やっぱ役者のふりしてるだけじゃん、と思いましたよ。
あまり前川さんと直接話し合ったりするタイプだとは思いませんけど、酔ったすきに何か今回の企画について吐露してませんでしたか?


<前川>
演出は目配りが広範囲になって雑務が増えるだけで、芝居に関わること自体での感覚に、役者だけをやるときとの違いはさほどないんじゃないかと、私は思うんだけど。

企画段階で寺十さんが言っていたのは、
「自分が演じたことを、演出する役者になぞらせてしまうんじゃないか、その逆でも、自分が演出したことを演じるときになぞろうとしてしまうんじゃないか」という心配。
「相手が違えば芝居も違うんだし、私が同じことやらなきゃいいんじゃない?」という形で説き伏せましたが、こればかりは稽古を進めてみないとわからない。

結果がわからないから結果が出るまでやってみる、という姿勢なので、そうした課題があることは悪くないと思っています。

むしろ、役者と演出との両方をやるタイプにはやり易い環境じゃないのかなあ。
人がやってるのを観て自分がやることのプランを立てるのは、スタンドイン入れて演出するのと同じだし。
稽古で照明動かすのだって、石塚くんや瀧下くんとの稽古を観ていて、「あ、お客さんにもっとここが見えたらいいな」ってことなんじゃないでしょうか。
役者をやってるときは見え方にそうは気を配らないけど、観てればわかることはたくさんある。

それを巧く働かせたいです。



4、これ、スタンダードナンバーになりますよね。
今回の二人芝居の台本は現在完成に向けての進行中ですが、ある方向から見るととても面白いものになりそうです(構成がね)。
二人芝居のスタンダードなものになりそう。探り合いがあり、緊張状態があり、と。
こういうのがスタンダードになり、若い役者によって数多く演じられるといいな、と思えてなりません。
私は役者そのものの生き様を見たいんです。
役者バトルが一番面白いと思ってるような人間からはとても楽しめる台本です。
キャストや演出によって別物になるってことも今回示せるわけだし。
若い役者がこれをやることに対して前川さんはどう思われますか?

<前川>
いいですねえ。
どヤンキーみたいな若い2人バージョンとか、枯れ果てた熟年の2人バージョンとかを観たいです。



5、演劇やダンスの現場で「観客を育てる」ということが言われてます。
今回の準備会という名の「公開稽古+質疑応答」(「ワークインプログレスのゆるいやつ」とも言う)は、「芝居をあんまり見たことない人に、作られる過程を楽しんで欲しい」「若い演劇人に若くもない我々の取り組みを覗き見して」と前回おっしゃってましたが、私も特に前者への期待が大きい。
「芝居が変化していく様」が「本番」より楽しいのは作ってる人間が共通して感じていることでしょう。
稽古場には芝居や役者が「産み落とされる瞬間」があります。
それを「観客」も知るべきです。っていうか、「知ればいいのに」と思わずにはいられません。
でもまあ、「大きなお世話」なような気もするんですよ。どうでしょうか?

<前川>
そういうところを楽しんでくれる観客が増えたら、作り手が自然と淘汰されて、現場は面白くなるだろうなとは思います。
が、もっと退いた目線で言えば、何があってもいいじゃないかと。
あれもこれもあっていい。
みんなやりたいことをやりたいようにやればよくて、何にお金を払って時間を割くのかは観客が決めればいいんだし、この試みもそういう中で、いずれはなにがしかの結果が出るだろうと思う。

思いついたことがあって、どうにも面白そうな気がするんだけど、やってみないであれこれ考えても仕方ないので、やってみようというだけなんです。
今回は、そのへんをしっかり理解した上で「そだね」と頷いてくれた猛者たちが爆死覚悟で挑む企画です。
共通点は「逃げない奴ら」。
逃げ足は多分私が一番速い 笑



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by 一寸小丸 (神保正則)
演劇情報発信:StagePower2.0

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愛のゆくえ(仮)


1990年に作家・演出家の前川麻子が立ち上げたプロデュースユニット。魅力ある役者を招き、前川が作・演出を行う。公演歴40回以上。

演劇「愛のゆくえ(仮)」
同じ男女二人の物語を3組の出演者と演出で舞台化。
観客の前で試演、稽古を見てもらい意見を交換し合う「トライアル」を実施、
台本稽古映像もネットに公開した。
映画「愛のゆくえ(仮)」の脚本はトライアル以前、前川WSでの試演会で没になった戯曲が元になっている。

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